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絵画教室アトリエオーブ/画家 今尾則之のブログです。
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暑すぎたりモヤモヤしたり、なかなかスキッとした日に巡り会えません。

そんな冴えない天気ですが、こちらは楽しい話題を。最近パリ時代の友人がフランスから一時帰国してきて、すでに日本に居る人も交えて皆で会う機会に恵まれました。もう帰国してからでも10年経っているので、お互い家族が増えたり、シワも増えたり、一直線に年を取っていくばかりですが、同じ時間や環境を共有した人とはいつ再会しても楽しいものです。

そして、先日5年振りにカラオケ(!)に行きました。スゴいです、5年も経つとカラオケ屋の入口をくぐった時点で完全な浦島太郎です。部屋だの食事だのセットだのクーポンだの、もう何がなんだかサッパリ判りません。受付で説明を受けるたびに、

「えー?えー?えー?」
「何?何?何?何?」

と疑問が飛び交い、お店のお兄さんに言われるがまま会員になったりして、結局部屋に入るだけで30分もかかってしまいました...。

じつは今回の仲間とはパリで「Vernis5」というバンドらしきものを組んでて、知人の個展やBBQパーティで演奏したりしていました。そんなバンドマンの僕らなので、店のシステムの前では無力でも、マイクを持てばこっちのものということで、皆おのおの美声を響かせていました。ちなみに僕も、あぜんとする娘を前にブルーハーツの「青空」を熱唱、いや絶唱しました。そしてこういう遊びの時間って必要だな、などと実感しました。


さてさて「アトリエのブログ」ということで絵の話題もひとつ。この間東京ステーションギャラリーで「12Rooms, 12Artists」という展覧会を見てきました。UBSという企業が所蔵する12人のアーティストの展覧会です。僕のお目当ては何と言ってもルシアン・フロイドで、じつは今までほとんど彼の作品を生で見たことがなかったので、初対面の期待で鼻を膨らませながら会場に足を運びました。



彼のブースは殆どエッチングで占められて油絵は一点でした。フロイドといえば油彩画を期待してしまうので多少気持ちのダウンは否めませんが、版画も紛れもなくフロイド本人が刷り上げた作品です。ウチの家訓の「元をとる」という言葉も頭をよぎりつつ、何度もブースを廻ってエッチングを鑑賞しました。

落ち着いてしばらく見ていると、やはりフロイドはフロイドでした。油彩画と比べても遜色ないエッチング作品の、刻まれた人物と眼差しに引き込まれてしまいました。色のないモノトーンの画面が、却って余計なものを削ぎ落としてフロイドの興味を見せてくれるようです。

また一枚でしたがやっぱり油彩画も本当に素晴らしくて、例によって「いつかあんな仕事が出来たら」などと、モランディの時と同じことを思った1日でした。



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うーん、梅雨が続きます。
この時期、「雨に唄えば」のようなスタンスで過ごせるとサイコーですが、イケナイと思いつつも曇天とジメジメに気持ちが流されてしまいます。一刻も早い夏が恋しくなる一方、猛暑も困りものですし、人間とは勝手な生き物です。

さて、5月から始まった集中講座も今週から最終課題になりました。最後は組みモチーフのデッサンということで、今まで描いた幾何形体を基本構造とする静物モチーフを3回で描いていきます。前回手のクロッキーの授業では、中途からご参加された方々も楽しく取り組んでいただけている様子でしたので、あと2回もご参加の皆さまにご満足いただけるよう頑張ります!


さてさて、前回のモランディに引き続き、アトリエの合間に森アーツセンターギャラリーで「ポンペイの壁画展」を見てきました。

六本木ヒルズ…、もう何度行っても自分との接点をまったく感じさせないシャレた空間です。まぁそれはさておき、以前からポンペイの壁画はモーレツに見たかったのですが、やっぱり希少な壁画ですし、現地以外での大きい展覧会は無理だと思っていたので正直期待していませんでした。

が、森アーツセンターの力なのか、東京新聞の力なのか、今回スゴいです。
おそらくイタリアでも門外不出の扱いだと思いますが、異国の地にこんなに運んで来るとは想像していませんでした。



余談ですが、僕の創作の原点は壁画にあります。
古くは大学時代から、どうすれば絵具であの風化や朽ちた描写ができるのか、あーだこーだと捏ねくり回していました。フランスの画家ジャン・デュビュッフェが「道路を剥がしてそのまま作品にしたい」と語っていたそうですが、僕も風化や劣化に見る美しさへの憧れはいくつになっても変わりません。じつは今回も壁画に描かれた事象というよりも壁そのものが見たくて行ったと言えます。この展覧会のおかげで満喫させていただきましたので、また自分の作品に活かしていこうと思います。

ちなみにギャラリー(52階!)から見た新宿風景です。






日々の雑事に追われていたら、久しぶりの更新になってしまいました。
いつも不定期なブログですみません。

さて、機を逸するどころじゃないほど古い話題になりますが、4月まで東京ステーションギャラリーで行なわれていたジョルジョ・モランディ展を終了間際の駆け込みで見てきました。

モランディは図録を探したり、アトリエの授業で会員の方にご紹介したりと、ここ数年チョコチョコ気になっていた画家です。僕の勝手なイメージでは、小津安二郎監督のような「餅屋は餅屋」のスタンスで、あの静物画を描き続けてきた画家なのかな、と思ってました。

が、今回初めて作品群を見て、画家というか研究者というか、この展覧会でかなりイメージが変わりました。そもそもモランディの制作動機が静物への興味ではなくて、「餅屋は餅屋」でも、自分が欲しい光とフォルム、影と配置を再現することにあったというのを今回初めて知りました。

って、モランディファンには「何を今さら」と怒られてしまいそうですが...。

でも、もうそれだけで作品の見え方がガラっと変わりました。特に静物画ではモチーフ同士の配置が規則的で、気に入った組み合わせがあるとどの作品でも同じか、ほんのちょっとずつズラして置いているのが何かミニマル・ミュージックみたいで妙に心地良く面白かったです。



実際モチーフに自分で彩色したり、たびたび絵に出てくる上の表紙右にあるモチーフも、じつは生活用品でも何でもなくジョウゴと缶を溶接して作ったオリジナルだそうで驚きです。ホントに風景画を描いても花を描いても、出来上がる作品は静物画とまったく同じ印象でした。ちなみに花も造花ばかりを描いていたそうです。

ジャコメッティしかり、フロイドしかり、これこそ絵描きだなぁと、作品制作の本流を見ることが出来て、とても充実した時間を過ごしました。そして、また僕も身の程知らずにも「いつかは...」などと思った一日でした。


さてさて、5月15日からスタートした集中講座「デッサン はじめの一歩」は、明日からいよいよ立方体モチーフのデッサンが始まります。もし途中からでもご興味のある方は、6月上旬位まで中途受講のお申込みを承りますので、お気軽にアトリエまでお問い合わせ下さい!どうぞ宜しくお願いいたします。




このたび、アトリエオーブで初めての短期集中講座を開講します。
じつはこの講座は10年ほど前に、

「今もし自分が初めてデッサンを学ぶとしたら、どんな授業を受けてみたいか?」

というコンセプトで企画・構成から立ち上げたものです。遠回りが悪いとは決して思いませんが、僕自身10代・20代の頃、デッサンや作品制作でかなりの大回りをした記憶があります。もちろんその経験は役に立っているものの、もう少し整理してデッサンを学ぶことも出来るんじゃないか、という気持ちからこの講座を作りました。以来、講師をしていたデッサンスクールや絵画教室で開講して、現在までおそらく100名近くの皆さまに受講いただきました。

今回このアトリエで開くにあたって再度内容を見直し全9回の講座としました。デッサンは一朝一夕で修得できるものではありませんが、まったくデッサンのご経験のなかった方がこの講座の終了後には、ご自身でモチーフを見立ててデッサンの練習ができる、というところまで必ずご指導いたします。

僕もまた作品制作や指導の経験を積み、さらに充実した講座になったと自負しています。ぜひこの機会にアトリエオーブでデッサンのはじめの一歩を踏み出してください!皆さまのご参加をお待ちしております。




◯集中講座「デッサン はじめの一歩」
 
 日時:2016年5月15日(日)〜7月10日(日)
    毎週日曜日14:00〜16:30(全9回・授業2時間30分)
 受講料:35,000円(会員:28,000円)・定員:6名

 <支給するもの>
 鉛筆・消しゴム・デッサン用紙・クロッキー帳・教則冊子、
 レギュラー受講チケット2回分進呈(4ヶ月間有効・7,500円相当)

《アトリエWebサイト「デッサン集中講座」ページ》




ようやく春がやってきたようです。

さて本日、アトリエで会員の皆さんの作品を乾燥させておく棚を作りました。

もう随分前から「どんな棚が良いか?」と、ネット検索と自前の脳をフル回転して
アーでもないコーでもないと思案していましたが、最近深刻な作品の置き場所不足
に悩まされてきたので、とりあえず今出来る範囲で作ってみることにしました。

まずは大好きなホームセンターを笑いながらハシゴして、こんな材料を揃えました。



果たして頭の中の予想図は上手く機能するのでしょうか?
はじめに土台の木材に溝を切り入れていきます。



今回初めてこの作業をやりましたが、地味な上にメチャクチャ大変です。
敗因は圧倒的な工具不足ですね。大小のノコギリを使い分けながら、
熟練の絵描きが一列ずつ四苦八苦しながら削っていきます。



画像で見るとキレイなので助かります。もちろん手は血だらけです。
でもその甲斐があって、最後の方は「溝職人」と呼ばれても否定できないくらい
上達しました。この技術は今後何に活かせるのでしょうか...?

さて、気を取り直して次は土台作りです。
キャンバスを置いて、程よい幅に調整したら組んでいきます。



おー、何かソレっぽく出来ました。
そして最後、一緒に買っておいた間仕切り板を差し込んで完成です。



作業を終えた僕は身体がバキバキですが、一体どこに苦労しているのか
まったく見えないコンパクトな仕上がりとなりました。何か複雑...。

まぁそれはさておき、ほぼ最初の想像通りに出来たのでホッとしました。
ちなみにキャンバスを置くとこんな感じです。



簡易棚ですが、10号くらいまでなら F・M・P・S
どのサイズでも乾かしておけるのがミソです。

という訳で、今回の棚作りはいかがでしたか?
自作にすると毎回慣れない作業ですので、最後はボロぞうきんのように
疲れてしまいますが、反面いつまでも見ていたいくらい愛着が湧きます。

さて、こんな手作りの備品あふれる絵画教室、
これからもアトリエオーブをどうぞ宜しくお願いいたします。



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プロフィール
HN:
今尾則之
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1971/02/13
職業:
画家
趣味:
古本屋巡り
自己紹介:

東京都生まれ。

1993年 日本大学芸術学部美術学科絵画コース卒業。
2000年 フランス留学 (パリ)

2001年 アカデミー・ド・ラ・グランショミエール在籍

2004年 フランス学士院芸術
アカデミー主催 Paul-louis WEILLERコンクール'04 入選

2006年 帰国
2006年〜08年 デッサン教室講師 (池袋)

2009年 日本芸術センター主催 第3回絵画公募展入選

2010年 個展“La Résonance”
開催 (Gallery 5610/南青山)

2012年 個展“Le Reotur”
開催 (Gallery 5610/南青山)

2009年〜13年 絵画教室講師 (吉祥寺)

2013年 絵画教室 アトリエオーブ開講 (代々木上原)
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