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絵画教室アトリエオーブ/画家 今尾則之のブログです。
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「制作するときに音楽をかけますか?」

絵描きや彫刻家なら、誰でも一度は仲間内でこんな話題が出たり、
また人に訊かれたりした経験があると思います。

自分自身の制作で考えてみると、まだ若くて、間が持たないときなど
音楽を聴きながら制作していましたが、曲に入り過ぎたり、何を描いて
いるのか解らなくなることがありまして、今はあまり音楽をかける
ことはなくなりました。

ただ、明らかな単純作業が続く場合やどうにも気持ちが入らない時には
音を聴きながら描くこともあります。基本的にジャンルはバラバラで
クラシックからパンクまで、その時の気分で選びます。

足かけ5年に渡りアルベルト・ジャコメッティのモデルをつとめた哲学者
矢内原伊作の著述によると、ジャコメッティは、毎回ではないにしても
しばしば隣りの部屋に居る奥さんが流すクラシックを聴きながら制作して
いたそうです。ジャコメッティの制作は常に難渋を極めて、アトリエの
空気も張りつめていたので、隣から流れてくる音楽は二人を慰めてくれた
そうです。特に彼はヘンデルを聴きたがっていて、さらに余談ですが、
グレゴリオ聖歌を「呼吸のように自然だ、これこそ真の音楽だ」と絶賛
していたそうです。

タイプはかなり違いますが、ジャン=ミッシェル・バスキアも制作中は
ジャズを聴いていたようです。彼の場合は実際に音楽活動もしていたので、
絵と音楽とがかなり密接な関係にあったのでしょう。あと確かめた訳では
ありませんが、ジャクソン・ポロックのドリッピングによる作品群も
音楽の影響を受けているような印象を受けます。

アーティストの中でも必ず音楽を聴きながら制作する人、逆に2つのことは
出来ないとか、するべきではないという考えの人もいます。またどちらでも
良いという人もいて、僕はこちらの意見に近いかもしれません。音楽に
引き摺られては意味がありませんが、曲を聴きながら制作することによって
集中力が増したり、反対に作品への過度の没入を防いでくれたり、要は
作品にプラスの影響を与えるのであれば良いのではないのかと思います。

アトリエオーブを開校するとき、外の音が多少気になっていたので、
授業中に音楽をかけるべきかどうか検討していました。結果的に会員
の皆さんから外の音は気にならないとおっしゃっていただけたこと、
また前述のように「絵は絵、音楽は音楽で楽しみたい」というご意見
などもありまして、音楽をかけることは止めました。

まぁ、選曲をすればどうしても僕の趣味に近づいてしまいますし、
もし音楽が必要な場合には個人的にiPodなどで聴いてもらうという
スタンスが、我々のアトリエには良さそうです。






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プロフィール
HN:
今尾則之
年齢:
53
性別:
男性
誕生日:
1971/02/13
職業:
画家
趣味:
古本屋巡り
自己紹介:

東京都生まれ。

1993年 日本大学芸術学部美術学科絵画コース卒業。
2000年 フランス留学 (パリ)

2001年 アカデミー・ド・ラ・グランショミエール在籍

2004年 フランス学士院芸術
アカデミー主催 Paul-louis WEILLERコンクール'04 入選

2006年 帰国
2006年〜08年 デッサン教室講師 (池袋)

2009年 日本芸術センター主催 第3回絵画公募展入選

2010年 個展“La Résonance”
開催 (Gallery 5610/南青山)

2012年 個展“Le Reotur”
開催 (Gallery 5610/南青山)

2009年〜13年 絵画教室講師 (吉祥寺)

2013年 絵画教室 アトリエオーブ開講 (代々木上原)
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[02/09 NONAME]
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