絵画教室アトリエオーブ/画家 今尾則之のブログです。
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寒い日が続きます。
アトリエでは木炭デッサンを始めた方が何名かいらっしゃいます。
大きな面や調子で画面を作ったり、ガーゼや手を使って粘土細工の
ようにこねくり回して制作する過程は木炭の醍醐味というか、また
鉛筆とは違った楽しみがあります。
おそらく今でも変わらないと思いますが、僕のような油絵畑(?)
の人間は木炭でデッサンを覚えます。何かふと、自分の木炭デッサン
デビューの珍事を思い出しましたので書きたいと思います。
僕が初めて木炭デッサンを描いたのは高校2年の夏休みです。
当時古い馴染みの友達に誘われるまま、あまり深くも考えず
美大予備校へ一緒に行きました。今思うと無防備も甚だしいのですが、
登校初日を迎えるまで僕たちはデッサンどころか、美大についても
ほとんど予備知識がありませんでした。
夏期講習初日の教室に入ると、すでに勝手知ったる学生たちが黙々と
ものすごいクオリティの木炭デッサンを描いていました。
当時「ゆとり教育」なんて言葉もなく、むしろスパルタ系の終焉期でしたので、
黙っていては誰も何も教えてくれません。しかも無意味に多感な僕たちは
誰かに訊くことも出来ず、キョロキョロと周りを盗み見ながら皆の道具や
描き方をチェックしていました。
「木炭と紙はあれか」
「うん?ガーゼ使っている」
「ん?食パン?」
そう、今は練り消しゴムを使うのが主流だと思いますが、
当時はまだ木炭の消しゴムには食パンを使っていました。
「みんなパン持ってるよ」
「何か分かんないけど買いにいこう!」
僕たちは急いで予備校の売店へ行き、木炭と紙は購入できましたが、
食パンは売り切れていました。仕方がなく近所のコンビニまで足を
伸ばしたところ、残念ながらパン類はほとんど残っていませんでした。
当時人生でもっとも考えることが苦手だった僕たちは、
「もう何でもいいから、とにかくパン、パンを買うぞ!」
と満場一致で唯一残っていたバターロールを購入しました。
こんな油っぽいパンで消せるはずがない、今なら二秒で間違いに
気づきますが、若さは止まりません。
初日のモチーフはラボルト像でした。僕は像の真横、今思えば
超難しいとされている位置です。見よう見まねで描き始めて
半時も過ぎた頃でしょうか、バターロールの出番が来ました。
「酔うほどに〜」
そう、まるでジャッキー・チェンのドランクモンキー酔拳みたいに、
「消すほどに〜」
バターはみるみる木炭紙に吸い込まれて、消えるどころか
フレスコ画のように木炭が油分で紙に定着されてしまいました。
「たぶん...買うパン、間違えたよね...」
次の日あらためて食パンを買い直しましたが、時すでに遅し、
画面はカピカピです。全体講評の時、先生はこの異様なマチエールに
興味を持っていましたが、バターロールを使ったと言ったら鼻で笑って
呆れていました。講評ではひと言「コインみたーい」と言われて、
僕の人生初の木炭デッサンは終わりました。
早いもので、あれから四半世紀も経ちます。
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2014年も年明けから早一週間が経ちました。
昨年は暮れも押し迫ったクリスマスにおもいっきり
熱を出してしまい、結局大晦日直前まで寝込んでいました。
子供の頃は虚弱体質ギリギリでよく病に倒れていましたが、
大人になってからというもの、割と健康に過ごせていたので
病気で床についたのは実に5〜6年ぶりです。
毎回風邪で寝込む度に思うのですが、体調は最悪なのに
普段よりも十分睡眠をとるので、鏡を見るごとに肌が
ツルツルになっていくのが何か生物っぽくて(?)
面白いです。
それはさておき、おかげさまでアトリエオーブも
無事新しい年を迎えることができました。
先日このお休みを利用し、大掃除を兼ねてアトリエ内の
配置替えを行ないまして、前々から気になっていた備品棚
をまとめてみました。
これで描く空間がグッと広くなります。
2014年も「描きたい」皆さまのための絵画教室として、
より多くの方にご満足いただけるアトリエを心がけて
いきたいと思います。
本年もどうぞ宜しくお願いいたします。
いつもこの時期になると同じことを言っている気がしますが、
今年もあっという間に10日余りとなりました。
前回のカスタマイズ以降もアトリエオーブのウェブサイトには
チョコチョコと手を加えています。
新しいところでは最近リンクページを追加しました。
このブログでもボクのアナログっぷりは存分にお伝えしていますので、
ページ作りにかかった時間はご想像通りです。時間かかり過ぎっ!...。
リンクページといえば、先月から上原駅前商店街に加盟しました。
じつはこのアトリエのあるビルの目の前に商店街振興組合の会館があって、
季節のイベント毎、組合の方達が子供たちのために飾り付けをしています。
夏はお祭り、前回はハロウィン、今はクリスマスツリーが飾られています。
もちろん子供も喜ぶし、活気のある商店街というのは何か嬉しいものです。
最近、商店街のウェブサイト「うえはら駅前どっとコム」にもアトリエ
の情報を掲載していただきましたので、ぜひご覧下さい。
さて、おかげさまでアトリエオーブも開校から8ヶ月が過ぎました。
このアトリエを始めるにあたって、今までの仕事や講師での経験から
コースやアトリエについての決まり事を作りました。
ただやはり実際に開講してみて分かることもありまして、すでにウェブ
にはアップしましたが、今回この場をお借りしてアトリエの規定について
若干見直しをしましたのでお知らせいたします。
◯振替受講について
今まで振替受講はご欠席した日と同じ月内での振替と掲載して
いましたが、お休みされた日の月を含めて3ヶ月まで振替受講いただける
ようにしました。じつは「同じ月内で」と規定を作ったものの、当初から
振替はすべて消化できるように対応していたので、作った本人が守れない
規定なら変えましょうと、オフィシャルで変更することにしました。
◯チケットについて
チケットの有効期限を現状の3ヶ月から4ヶ月に延長し、月1回で
受講いただけるようにしました。
描きたい皆さまのための絵画教室ということで、ご参加いただいた
会員の皆さまがいつも心地良く制作に臨めるように、これからも
心がけていきたいと思います。
今後ともアトリエオーブを宜しくお願いいたします。
早いもので今年もあと一ヶ月余りとなりました。
先日、思いがけずご近所の方からブルータスの石膏像を
譲っていただきました。
持ち主のお話では数十年前に美大受験のためご両親に買ってもらい、
当時、念願のブルータス像でいくつかの像のなかから一番形の良いものを
選ばれたそうです。背面をみると「YOKOHAMA Oka」というラベルが
貼ってあり、あの石膏像作りの老舗岡石膏製作所のものでした。
今回ご事情によりどうしても処分しなければならなくなったのですが、
壊すのに忍びなく引き取り手を探していたとのことでした。
アトリエにお電話いただけたことはもちろん、そんな像入手の経緯も
お聞きし、その想いも引き継いだ心持ちがしてとても嬉しかったです。
有り難く頂戴いたしました。
じつに数十年分振りに現役復帰を果たすブルータス像ですので、
まずはクリーニング、ということで今週せっせと作業をしていました。
芸は身を助ける、ではありませんが、昔講師をしていた教室で石膏像の
手入れをした経験が役に立ちます。
ボクの経験では石膏像を白くするコツは「根気」と「間」に尽きる
のではないかと思っています。まずこちらがアトリエに持ち帰った状態で、
襟(?)にだけ消しゴムをかけてみました。
多少色の違いが分かりにくいので、顔半分を消してみます。
昔マジンガーZにこんな悪役がいたような記憶があります...。
さあ、これから「根気」の出番です。
ひたすら消しゴムをかけまくります。
...で、消しゴムで消せる限界まで到達しました。
こちらです。
うーん、やっぱり何回やっても指がツりそうです...。
でもその甲斐あってブルータスも復帰目前です。
このあとはサンドペーパーを使って黒ズミやカビを削っていきます。
ちなみに石膏像は恐ろしくモロく形もすぐ甘くなってしまうので、
ヤスリを使うときにはとにかく削り過ぎに気をつけます。
...で、晴れて終了です。
おー、もう一度同じポーズでクリーニング前後を比べてみましょう。
素晴らしい。
真っ白という訳にはいきませんが、それでも
指がツッた甲斐があります。
ここからは第二のコツ「間」です。この白さに目が慣れて来ると、
またチョコチョコと気になるところが出てくるので、その度
ヤスリで修正しつつ、いつか「良い」と思ったところで完成です。
さて、この愛着いっぱいのブルータス像、鉛筆でも木炭デッサンでも
迫力の一枚が出来上がることと思います。ぜひ描きにいらして下さい!
朝も寒くなり、ようやく冬らしくなってきました。
さて、最近はWebサイトに時間を使っています。
前にも書いた通り、このアトリエのWebサイトは大学時代の友人に
作ってもらいました。もちろん事前に打ち合わせなどもしたのですが、
ボクの方は勝手なアイディアを伝えるだけで、形にしたり技術面は
「おんぶに抱っこ」ですっかり任せっきりでした。
うすうす感づいてはいたのですが、時が経ち年も取って、
気がつけばボクも結構なアナログ人間と化していました。
おかげさまでアトリエも一歩ずつ前に進んでいますし、
こんなアナログに浸っていてはイケナイと思い、これからウェブの
変更は自分で行なうことにして、本やネットを調べつつ
せっせと作業しています。
...と言っても、「気絶するほど悩ましい」くらいアナログ人ですので、
もしもWebサイト作成やカスタマイズの山があったとしたら、
その麓をものすごく行ったり来たりしている程度だと思います...きっと。
それでも会員の皆さんにもご協力いただいて、最近すこーしずつ
少しずつカスタマイズしています。余談ですが、当然これだけでも
恐ろしく時間がかかっています。
今後もひっそりと、ビミョーに更新していこうと思いますので、
以前見て下さったことがある方も、もし気持ちが向いた時には
ぜひ覗いてみて下さい。
アトリエオーブWebサイト
これからもどうぞ宜しくお願いいたします。
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プロフィール
HN:
今尾則之
年齢:
54
HP:
性別:
男性
誕生日:
1971/02/13
職業:
画家
趣味:
古本屋巡り
自己紹介:
東京都生まれ。
1993年 日本大学芸術学部美術学科絵画コース卒業。
2000年 フランス留学 (パリ)
2001年 アカデミー・ド・ラ・グランショミエール在籍
2004年 フランス学士院芸術
アカデミー主催 Paul-louis WEILLERコンクール'04 入選
2006年 帰国
2006年〜08年 デッサン教室講師 (池袋)
2009年 日本芸術センター主催 第3回絵画公募展入選
2010年 個展“La Résonance”
開催 (Gallery 5610/南青山)
2012年 個展“Le Reotur”
開催 (Gallery 5610/南青山)
2009年〜13年 絵画教室講師 (吉祥寺)
2013年 絵画教室 アトリエオーブ開講 (代々木上原)
東京都生まれ。
1993年 日本大学芸術学部美術学科絵画コース卒業。
2000年 フランス留学 (パリ)
2001年 アカデミー・ド・ラ・グランショミエール在籍
2004年 フランス学士院芸術
アカデミー主催 Paul-louis WEILLERコンクール'04 入選
2006年 帰国
2006年〜08年 デッサン教室講師 (池袋)
2009年 日本芸術センター主催 第3回絵画公募展入選
2010年 個展“La Résonance”
開催 (Gallery 5610/南青山)
2012年 個展“Le Reotur”
開催 (Gallery 5610/南青山)
2009年〜13年 絵画教室講師 (吉祥寺)
2013年 絵画教室 アトリエオーブ開講 (代々木上原)
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